ふりこ


最低な一日の帰り道。
空からパラパラと雨が降る。
全くこの雨は空気を読んでくれるねアホか死ね。
空を見上げて呪ってやったら雨足が急に強くなった。
傘は持っていなかった。
スーツの何より嫌なところは、数が無いから雨に濡れられないことだ。
全くこの雨は空気を読んでくれるねアホか死ね。
もう一度呪った。


あのね、僕はね、今ね、もんのすごく幸せなのね。
彼女のその声があまりにも可愛らしかったので僕は鼻血を吹き出した。
鼻血は止まらず、徐々に部屋に溜まっていく。
平泳ぎが出来るくらいに溜まったところで、どぶんと鼻血の海に飛び込んだ。
Tシャツの何より好きなところは、鼻血の海で泳げるところだ。
あのね、僕はね、今ね、もんのすごく幸せなのね。
口の中で繰り返してニヤニヤした。