崖の上のポニョは、


崖の上のポニョは狂気の沙汰。


ボコボコボコってなって
ポンポポンポンポンってなって
どざーざーざざーってなって
宗介、好きー!ってなって
ポニョー!ってなって
ぐぐぐぐぐってなって
宗介のところ、行くー!ってなって
ドバーってなって
ぼこんぼこんってなって
親方!空から女の子が!!
グワワワーってなって
ドボングアンドババババってなって
3分待って
ポンポンポンってなって
眠い?ってなって
ボニョー!ってなって
月が!ってなって
で最後にバヒューン、モコモコモコってなって暗転!
ポーニョポーニョポニョポニョポニョポ!


67歳にして、5歳児の感性とアニメーションの技術と巨大なネームバリューと資金、優秀なスタッフと絶大な権力を手に入れた宮崎さんちのはやおくんは、お絵描きの時間にとんでもないものを作っていきました。
さかなのこどもです。


観客の半分以上が子供で占められた劇場で、上映中にほとんど声が上がらない。
あるシーンで右隣の子は可愛いと言い、左隣の子は怖いと言った。
上映が終わって客席が明るくなると、薄い、だが重いどよめき。
子供達は放心状態で、一生忘れられないような夢を見て目覚めた朝のような表情だった。
大人達は首を傾げ、子供達は心を奪われている。
はやおくんが遂に現実世界まで侵蝕しはじめた。


崖の上のポニョは5歳児のために作った映画というよりも、5歳児(67)が作った映画。
5歳児がスタッフを率いて100分の映画を完成させ、全国の映画館で上映され、あまつさえ大ヒットしてしまう日本という国はおかしい。奇跡。狂気の沙汰。


あと上映前にSEX and the CITYの予告が流れたときの空気も面白かった。